帰化申請Q&A
Q.簡易帰化制度では簡単に帰化ができるのでしょうか?
A.簡単に帰化ができるものではありません。
簡易帰化制度は、申請人の帰化条件が緩和されるだけであり、帰化の手続きが容易になるものではないからです。
さらに、簡易帰化の条件に該当することを証明するために、通常帰化の方よりも多くの書類を提出することとなる場合もあります。
Q.よく仕事で海外に行くのですが、帰化はできますか?
A.海外へ行くことが多い方は出国日数に注意が必要です。
住居要件には「引き続き5年以上日本に住所を有すること」とあるため、日本にいない期間が一定以上あると不許可となる可能性があります。
不許可となる可能性がある出国日数の例 |
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・1回の出国で連続3か月以上日本を離れていた ・年間でおよそ合計100日以上日本から出国していた |
しかし、年間の出国日数が180日以上でも、会社命令によるやむを得ない出張、日本に10年以上居住、自宅も購入済、日本生まれの子がいる外国人の方が帰化を許可された例もありますので、不安な方は事前に法務局へ相談してみましょう。
Q.大学で留学生として4年間在籍し、卒業後に就職してから1年が経過しました。現時点で帰化は許可されますか?
A.通常帰化の条件である「住居要件」には、原則就労期間が3年必要とされているため、残念ながら難しいでしょう。
しかしながら、簡易帰化の場合、就労期間がなくても日本に10年以上住んでいれば住居要件を満たすとされているため、留学前から日本に住んでいる方の場合は帰化できる可能性があります。
Q.刑務所で服役していたことがありますが、その場合は帰化が許可されないのでしょうか?
A.素行要件では、刑務所で服役していたことがある場合、刑務所を出て10年以上経過すれば、帰化が許可される可能性があるとされています。
これは、刑法34条の2第1項にて刑の消滅期間を規定していることが参考とされているようです。
もちろん、犯罪の内容次第では許可されない場合もありますが、通常は10年以上経過すれば帰化が許可される可能性があります。
Q.3年前にスピード違反で反則金を支払い、2年前にも駐車違反で反則金を支払ったことがあります。この場合は帰化が許可されないのでしょうか?
A.過去5年間で軽微な交通違反が5回未満であれば、素行が善良であると認められ素行要件を満たすとされるようです。
そのため、2回程度では帰化は許可される可能性があります。
軽微な交通違反とは、違反点数が3点以下のことを指し、指定場所一時不停止等(2点)や通行禁止違反(2点)、座席ベルト装着義務違反(1点)などが該当します。
なお、違反件数があまりに多い場合は許可がされませんので、注意しましょう。
Q.過去に税金が未納だったことがありますが、帰化の許可がされないのでしょうか?
A.過去に税金未納があったとしても、帰化申請までに完納していれば帰化が許可される可能性があります。
Q.内縁関係で婚姻届を出していないのですが、帰化申請はできますでしょうか?
A.内縁関係であっても男女双方が未婚の場合には、素行要件上、問題ありません。
もっとも、内縁関係が長い場合には、身分安定の面からもまずは婚姻した方が円滑に帰化が許可される可能性があります。
なお、一方が既婚である、いわゆる不倫の場合は素行要件上、問題となり帰化が許可されない場合が多いです。
しかしながら、相当の事情がある、または過去のことであり現在は正式に結婚しているなどの場合には、帰化が許可される可能性があるようです。
Q.会社勤めをしていますが、貯金がありません。帰化の許可はされますでしょうか?
A.会社勤務の場合には、特に貯金が問題になることはありません。毎月の収入があれば審査に有利であるようです。
Q.派遣社員ですが、帰化は許可されますか?
A.正社員のような安定性のある雇用形態ではなくても、同一派遣先で技術者として3年以上勤務していた外国人について帰化が許可されたケースがありますので、安定した収入を確保できているか、その見込みがあるかが重要となります。
Q.転職をする予定ですが、帰化申請に影響はありますでしょうか?
A.仮に正社員であったとしても、転職して間もない場合や転職歴が多い場合には審査に影響があると考えられるため、事前に法務局へ相談するべき内容です。
なお、転職間際でも在職証明書で就労の事実がはっきりとわかる場合に帰化が許可されたケースもあるようです。
Q.自身に収入がないのですが、帰化はできますか?
A.申請人に収入がない場合でも、同居している配偶者や家族・親族からの経済的支援がある場合には、帰化の条件である生計要件を満たすことができます。
Q.2年間サラリーマンとして就職した後に退職してから自分の会社を設立しました。1年経過して会社の経営自体は安定していますが、帰化の許可はされますでしょうか?
A.個人事業主、会社経営者の場合は、帰化申請の生計要件として経営の安定性を求められます。
経営状況の証明には「法人税納税証明書」や「決算書」などを提出しますが、直近3年分が必要であるため、起業から1年では原則として帰化が認められません。
しかし、引き続き5年以上の在日期間、起業前の会社勤務時代から数えて3年以上の就労期間がある場合には、帰化が許可されたケースもあるようです。
ただし、経営の安定性を決算書、事業計画書等で詳細に説明することが重要になります。
Q.帰化申請をした後は、日本人になるので現在のビザは更新不要ですか?
A.いいえ。
帰化の許可は法務大臣が決定しますので、どれだけ要件を満たしていようが許可される可能性は100%ではありません。
そのため、万が一のことを想定してビザの更新はしておくようにお願いいたします。
Q.帰化後の氏名はどのように決めればいいですか?
A.帰化後の氏名は、漢字・ひらがな・カタカナである必要はありますが、どんな名前でも問題ありません。
そのため、本国の元の名前にする方もいらっしゃいます。
しかし、日本人配偶者がいる方、または、夫婦一緒に帰化した場合は、「氏」に注意が必要です。
日本人は夫婦別姓が認められていないため、帰化後の「氏」は夫婦一緒でなければいけません。
例えば、日本人の「鈴木」さんとご結婚されている方が帰化した場合、「鈴木」という氏を使うことになります。
なお、新しい「氏」を作成して日本人が合わせることも可能です。
帰化許可申請書に「帰化後の氏名」を書く箇所がありますので、申請前にはどの名前を使うか決めておきましょう。