帰化申請許可後に必要な手続き
無事に帰化申請が許可されて日本国籍を取得できても、そこで全て完了ではなくその後も必要な手続きがあります。
手続きを忘れてしまうと、罰金を科せられることも…。
帰化申請を進めるときは、帰化許可後の手続きも頭に入れておく方が良いです。
では、「帰化申請許可後に必要な手続き」の流れを解説します。
帰化申請の許可後に必要な手続き
次の2つは、特に重要な手続きです。
- 帰化届を市区町村役場へ提出(1か月以内)
- 在留カード、または特別永住者証明書の返納(14日以内)
手続きに期限があるため、どんなに忙しくても最優先で進めましょう。
① 官報に氏名等が掲載される
帰化申請が許可されると、「官報」に住所・氏名・生年月日が掲載されます。
※官報:日本国が発行する機関紙。国からの広報、広告を行うため毎日更新される。インターネットで閲覧可。
② 法務局から「身分証明書」を受け取る
官報に掲載されたら、法務局から申請人へ
と電話連絡があります。
法務局への出頭日時を言い渡されますので、「身分証明書」を受け取りに行きましょう。
③ 本籍地の市区町村役場へ「帰化届」を提出する
特に重要な手続きの1つ目です。
帰化申請が許可されてから1か月以内に、新しく定めた本籍地の市区町村役場へ「帰化届」を提出する必要があります。
用意する書類 |
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・帰化届(窓口に用紙あり) ・身分証明書(法務局発行のもの) ・マイナンバーカード、住基カード(お持ちの方) ⇨追記欄に変更事項が記載される |
帰化届を提出すると、日本での戸籍が作られます。
なお、期限内に届出をしない場合は過料を科せられることがあります。
※過料:行政法規上の義務違反に対する金銭罰。科料と異なり前科は付かない。
帰化届の用意
法務局で身分証明書を受け取る際、帰化届も一緒に渡してくれる場合があります。
もし、手元になくても市区町村役場のホームページから「帰化届」をダウンロードできます。
また、夫婦で帰化した場合は「夫婦用の帰化届」を用意することに注意しましょう。
帰化届の提出
帰化届の提出はどなたでも構いませんが、「届出人署名欄」は帰化した人が署名することに注意しましょう。
押印欄もありますが、最近は押印が任意となっています。
④ 「在留カード」または「特別永住者証明書」を返納する
特に重要な手続きの2つ目です。
帰化申請が許可されてから14日以内に、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署へ「在留カード」または「特別永住者証明書」を返納する必要があります。
期限内に返納しない場合、罰金に処せられることがあります。
また、窓口へ持参できない場合は、郵送も可能です。
期限が短いため遅れないように注意しましょう。
郵送時の添付書類 |
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・在留カード等の返納について ・返納理由を証する文書(身分証明書など) |
郵送時の返納先 |
〒135-0064 東京都江東区青海2-7-11 東京港湾合同庁舎9階 東京出入国在留管理局おだいば分室あて ※封筒の表に「在留カード等返納」と表記 |
詳細は、出入国在留管理庁|在留カード等の返納をご確認ください。
国籍離脱の手続き(元の国籍による)
国籍離脱について、多くの国では他国へ帰化した場合に元の国籍は当然に喪失することがその国の法律で定められています。
しかし、中には帰化後でなければ国籍離脱を認めない国もあります。
元の国籍によって異なりますが、法務局から「帰化許可後に国籍離脱の手続きが必要です。」と言われた場合は忘れずに手続きをしましょう。
例えば、韓国籍の方であれば、韓国領事館を通じて国籍喪失手続きを進めます。
日本と韓国で二重の戸籍記録が残ることになり、後々相続等でトラブル発生の元になる可能性があるためです。
国籍離脱手続きの不明点は、各国の大使館や総領事館に確認しましょう。
日本の戸籍が作られた後に済ませる手続き
帰化届を提出すると、日本での戸籍が作られます。
戸籍が作られたら、運転免許証や保険証などの名義変更を済ませる必要があります。
戸籍作成後に済ませる手続きの例 |
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・運転免許証の氏名等変更 ・健康保険/年金の名義変更 ・印鑑の新規作成 ・不動産/商業登記簿の名義変更 ・銀行の名義変更 ・公共料金やクレジットカード等の名義変更 ・パスポートの返納と新規取得申請 |
まとめ
帰化申請許可後に必要な手続きは以上です。
帰化許可がゴールではなく、その先の手続きを済ませてゴールとなります。
長い道のりであり、覚えておくことも多くて大変ですが、こちらの記事が参考になれば幸いです。