イギリス人との国際結婚手続きの流れ
どんな準備や手続きが必要なのか知りたい！
とお悩みの方へ、日本人とイギリス人の国際結婚手続きについて、わかりやすく解説します。
どちらの国から先に結婚手続きをするのか
国際結婚手続きには、2つの方式があります。
| 日本方式（日本⇨イギリス） |
|---|
| 日本で先に結婚手続きをする方法 パートナーが日本に滞在している場合は、日本方式がスムーズです。 |
| イギリス方式（イギリス⇨日本） |
| イギリスで先に結婚手続きをする方法 パートナーがイギリス在住で、結婚後にイギリスで生活を共にするのであればこちらがおすすめです。 |
婚姻手続きは、どちらの国が先でも構いません。
日本で先に結婚手続きをする【日本方式】
- 出生証明書を取得
【イギリスの役所】 - 婚姻要件具備証明書（宣誓供述書）を取得
【イギリスの役所 or 駐日英国大使館】 - 日本の役所へ婚姻届を提出
【日本の市区町村役場】 - イギリス側への届出は不要
- 配偶者ビザの申請
【出入国在留管理局】
① 出生証明書を取得（イギリスの役所）
②で婚姻要件具備証明書（宣誓供述書）の取得申請をするために、まずはイギリス人パートナーの出生証明書を取得します。
原則、出生証明書はイギリス本国でしか取得できないため、イギリスの役所で取得してから来日するか、イギリス本国にいる親族から郵送してもらうようにしましょう。
また、出生証明書は複数箇所へ提出する場合があるため、2通取得することをおすすめします。
② 婚姻要件具備証明書（宣誓供述書）を取得
イギリスの役所か駐日英国大使館で、イギリス人パートナーの婚姻要件具備証明書（宣誓供述書）を取得します。
a.イギリスの役所で取得する場合
イギリスの役所で婚姻要件具備証明書の取得申請をします。
申請後、約2週間で婚姻要件具備証明書を取得できます。
婚姻要件具備証明書の有効期限は3か月以内です。
b.駐日英国大使館で取得する場合
駐日英国大使館へオンライン申請することで宣誓供述書を取得できます。
| オンライン申請の流れ |
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| 1.駐日英国大使館のホームページで申請を始める 2.必要書類をアップロード 3.クレジットカードで、£50を支払う 4.大使館への訪問日時を予約してオンライン申請が完了 5.予約日にイギリス国籍者ご本人が大使館へ訪問し、領事職員の面前で署名・宣誓 6.宣誓後、21営業日で宣誓供述書を取得 |
現在、大使館では婚姻要件具備証明書を発行しなくなったため、宣誓供述書がその代わりとなります。
なお、宣誓供述書の有効期限は宣誓した日から3か月以内です。
| アップロードする必要書類 |
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| ・イギリス人パートナーのパスポート ・出生証明書（両親のフルネームと母親の旧姓が記載されたもの） ・在留カード（日本に住んでいる場合） ・住所証明書（運転免許証や公共料金の明細等） |
必要書類は変更されることがあるため、駐日英国大使館のホームページから事前に確認しましょう。
③ 日本の役所へ婚姻届を提出（日本の市区町村役場）
婚姻要件具備証明書（宣誓供述書）を取得したら、日本の役所へ婚姻届を提出します。
外国語の書類は、日本語の翻訳文も必要です。
| 日本人が用意する書類 |
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| ・婚姻届 ・身分証明書（パスポートなど） |
| イギリス人が用意する書類 |
| ・婚姻要件具備証明書（宣誓供述書） ・婚姻要件具備証明書（宣誓供述書）の日本語翻訳文 ・在留カード ・パスポート ・出生証明書（不要の場合あり） ・出生証明書の日本語翻訳文 |
※2024年3月1日〜 本籍地以外への婚姻届出であっても戸籍謄本は原則不要
参照：法務省｜戸籍法の一部を改正する法律について（令和６年３月１日施行）
なお、自治体によって提出書類が異なる場合があるため、役所のHPや電話で必要書類を事前に確認しましょう。
④ イギリス側への届出は不要
日本で婚姻が成立した場合、イギリス国内でも有効な婚姻が成立したとみなされるため、イギリス側への届出は不要となります。
国際結婚手続きは以上ですが、イギリス人配偶者と日本で暮らす場合は、配偶者ビザの申請が必要です。
⑤ 配偶者ビザの申請（出入国在留管理局）
イギリス人配偶者と日本で生活していく場合は、出入国在留管理局へ配偶者ビザの申請が必要です。
配偶者ビザの申請から許可されるまで、審査期間が1～2か月かかるため、配偶者が日本に滞在している場合は現在のビザが期限切れにならないよう余裕を持って申請準備しましょう。
また、配偶者ビザは審査が厳しいと言われています。
配偶者ビザの取得要件や審査については、以下のページでご確認ください。
無事に許可されましたら、日本で一緒に暮らすことができます。
なお、配偶者ビザは就労制限がなく、永住ビザの取得要件が緩和されます。
▶️永住ビザ10年在留と特例について詳しく見る
〜婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留している方は、10年以上日本に在留していなくても永住申請が可能〜
配偶者ビザ申請時にイギリス側の婚姻証明書は提出不要
原則、配偶者ビザ申請時の書類には、外国の機関から発行された婚姻証明書の提出が必要です。
しかし、イギリス国籍者がイギリス国外で結婚された場合、イギリス政府は結婚の証明書を発行することがありません。
そのため、相手国側の婚姻証明書の提出は不要となります。
その代わりに、イギリス国籍者との結婚を証明する書類は、日本の市区町村役場が婚姻成立時に発行する婚姻届受理証明書となりますので、忘れずに取得しましょう。
もし手元にない場合、婚姻事実記載の戸籍謄本でも配偶者ビザの申請に使用できます。
（婚姻届の受理から約1週間で日本人の戸籍謄本へ新たに婚姻の事実が記載されます。）
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イギリスで先に結婚手続きをする場合【イギリス方式】
- イギリスの結婚訪問ビザを取得
【駐日英国大使館、ビザ申請センター】 - 婚姻要件具備証明書を取得
【日本の法務局、在英国日本国大使館】 - 結婚式の準備・予告通知
【イギリスの結婚登記所】 - 挙式⇨結婚登記⇨婚姻証明書
【教会・結婚登記所】 - 日本の役所へ婚姻届を提出
【日本の市区町村役場、在英国日本国大使館】 - 配偶者ビザの申請
【出入国在留管理局】
① イギリスの結婚訪問ビザを取得（駐日英国大使館、ビザ申請センター）
結婚を目的としてイギリスへ行く場合、駐日英国大使館で日本人パートナーが結婚訪問ビザを取得する必要があります。
※観光ビザでは、結婚手続きができない可能性があります。
※在留期間は6か月間であるため、期間内に結婚手続きを行いましょう。
| 結婚訪問ビザ取得の流れ |
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| 1.駐日英国大使館のホームページでオンライン申請 2.オンライン申請した予約日時にビザ申請センターへ訪問 |
イギリスの結婚訪問ビザを取得できるビザ申請センターは、東京・大阪にあるため、スケジュールに注意しましょう。
結婚訪問ビザの概要は、駐日英国大使館のホームページにてご確認ください。
| 必要なもの |
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| ・日本人パートナーのパスポート ・結婚の詳細と費用の一部を支払ったことの証明 ・イギリスで結婚を計画していることの証明書類（予約確認書や結婚式会場とのメールなど） ・申請には£115かかる |
② 婚姻要件具備証明書を取得（日本の法務局、在英国日本国大使館）
大抵の場合、外国にある日本大使館にて婚姻要件具備証明書を取得することができますが、イギリスでは3か月以上の長期滞在者にしか発行してくれません。
手続きをスムーズに進めたい場合は、戸籍事務を取り扱っている日本の法務局で日本人パートナーの婚姻要件具備証明書を取得してからイギリスへ行きましょう。
| 必要なもの |
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| ・戸籍謄本（発行から3か月以内のもの） ・身分証明書（パスポートなど） ・印鑑 ・イギリス人パートナーの情報（名前や住所など） |
婚姻要件具備証明書の有効期限は3か月以内です。
なお、法務局で取得した婚姻要件具備証明書は、外務省のアポスティーユ認証が必要です。
アポスティーユ認証とは、日本の書類が海外の役所でも有効な書類であることを認める手続きです。
渡英している場合は？
渡英後に婚姻要件具備証明書を取得したい方は、在英国日本国大使館へ申請すると申請受理日の4営業日後に発行されます。
なお、外国に3か月以上滞在する場合は「在留届」を提出する必要があり、婚姻要件具備証明書を取得するには必須な手続きとなります。
③ 結婚式の準備・予告通知（イギリスの結婚登記所）
イギリスで結婚式を行うには、婚姻の予告通知が必要です。
予告通知とは、結婚登記所へ事前予約のうえ、パートナーと一緒に法的な声明を行い、署名することを言います。
結婚式は、教会か結婚登記所で行うことができるので、式場を予約したら予告通知を行いましょう。
| 予告通知の必要書類 |
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| ・結婚式の会場等の詳細がわかるもの ・パスポート ・結婚訪問ビザ ・婚姻要件具備証明書 ・婚姻要件具備証明書の英語翻訳文 ・住所証明書（運転免許証など） ・その他（結婚登記所から求められた書類） |
この予告通知後、28日間の公示期間が無事に終われば、結婚許可証（マリッジライセンス）を取得できます。
④ 挙式⇨結婚登記⇨婚姻証明書を取得（教会・結婚登記所）
結婚許可証（マリッジライセンス）を取得したら、12か月以内に結婚式を挙げます。
なお、日本とは違い、イギリスでは結婚式を挙げなければ婚姻は成立しないのでご注意ください。
結婚式では、証人2名から署名をもらい、結婚の登記が行われます。
結婚の登記が完了すれば、結婚登記所から婚姻証明書が発行されます。
イギリスでの婚姻方法は2つある
a.宗教上の結婚式：英国教会をはじめとする教会での挙式
登録済みの教会で行われ、宗教大臣などの権威のある人が出席し、婚姻登録を行います。
宗教によっては役所での手続きも必要となります。
b.民事婚：結婚登記所への届出
結婚登録所や地方自治体により承認された場所（ホテル、邸宅など）で行います。
この場合も儀式は必要であり、儀式は役所職員の結婚登記官によって行われます。
⑤ 日本の役所へ婚姻届を提出（日本の市区町村役場、在英国日本国大使館）
婚姻証明書を取得したら、日本の市町村役場か在英国日本国大使館へ3か月以内に報告的婚姻届を提出します。
提出は日本人配偶者1人でも可能です。
| 日本人が用意する書類 |
|---|
| ・婚姻届 ・身分証明書（パスポートなど） |
| イギリス人が用意する書類 |
| ・婚姻証明書 ・婚姻証明書の日本語翻訳文 ・出生証明書 ・出生証明書の日本語翻訳文 ・パスポート |
※令和6年4月1日〜 在外公館への戸籍・国籍の届出について、戸籍謄本の提出が原則不要
参照：外務省｜戸籍・国籍関係届の届出について
在英国日本国大使館へ婚姻届を提出する場合は、在英国日本国大使館のホームページをご確認ください。
日本側へ婚姻の報告ができたら、国際結婚手続きは終了です。
なお、イギリス人配偶者と日本で暮らす場合は、配偶者ビザの申請が必要です。
⑤ 配偶者ビザの申請（出入国在留管理局）
イギリス人配偶者と日本で生活していく場合は、出入国在留管理局へ配偶者ビザの申請が必要です。
配偶者が海外に在住している場合の申請方法は、在留資格認定証明書交付申請手続きとなります。
配偶者ビザの申請から許可されるまで、審査期間が1～2か月かかります。
また、配偶者ビザは審査が厳しいと言われていますので、配偶者ビザの取得要件や審査について、以下のページで事前にご確認ください。
無事に申請が許可されましたら、在留資格認定証明書を海外の配偶者へ送ります。
現地の日本大使館・領事館で査証の発給申請を行い、無事にパスポートへ査証が発給されたら、日本へ呼び寄せて配偶者ビザで一緒に暮らすことができます。
なお、配偶者ビザは就労制限がなく、永住ビザの取得要件が緩和されます。
▶️永住ビザ10年在留と特例について詳しく見る
〜婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留している方は、10年以上日本に在留していなくても永住申請が可能〜
手続きで注意すべきポイント
短期滞在からの変更許可申請
短期滞在（観光ビザ）で入国された方は原則、他のビザへの変更許可申請を行うことが認められていません。
ただし、「やむを得ない特別の事情」があれば許可されることもありますが、許可は申請人の状況を総合的に判断した上で入国管理局が決定します。
そのため、必ずしも変更が認められるわけでは無いことを理解しておく必要があります。
なお、短期滞在で来日しそのまま婚姻に至るご夫婦は多く、行政書士アルバーズ法務事務所では、短期滞在から配偶者ビザを取得した実績が多数ございますので、お気軽に当事務所へお問合せ下さい。
手続きに期限がある
独身証明書に注意
独身証明書とは、現在独身であることのみが記載され、結婚相手の氏名や国籍、生年月日などは記載されません。
そのため、婚姻要件を満たしていることの証明書類（婚姻要件具備証明書）として代用することはできません。
また、戸籍謄本でも現在「結婚していない」ことのみ証明できますが、法的に結婚できるのにしていないのか、そもそも年齢等で結婚できないのかについて判断ができません。
国際結婚手続きでは婚姻要件具備証明書が必要と理解していただければ問題ありません。
配偶者ビザを取得した日本人とイギリス人ご夫婦のお客様の声
【配偶者ビザ変更許可申請（短期滞在）-フルサポートプラン】日本人女性T様／英国人男性J様
まとめ
国際結婚の手続き方法は、日本方式とイギリス方式がある。
どちらで婚姻手続きを行うかは、お二人が現在どの国に在住しているかで判断すると良いでしょう。
各種手続きで必要な書類は、お住まいの自治体によって、異なる場合があります。
事前に必要書類を確認してから準備をしましょう。
国際結婚は時間がかかる手続きのため、配偶者ビザの取得も検討している方は、しっかりとスケジュールを立てることが重要です。
と心配な方は、ビザ申請の専門家である当事務所にご相談ください。
